4月 作文添削講座

★第109回 (募集人数に達したため締め切りました)
★第110回  4月25日(土)  14:00~16:00
★受講料 小学生 1回 3,000円 (2時間)
     中高生 1回 4,000円 ※税別料金になります
★限定人数 各回5名

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日 本人は自分のつまらない話をしては相手に悪いと考え、どんなに悲しい時でもそれには一切触れず、一般的な世間話しかしません。以前、ある日本人の紳士が私 に「どんな宝物をお持ちですか。御主人様は日本に長く住んでいらっしゃるから、色々な美術品を収集なされたでしょう」と尋ねたことがありました。私は主人 が収集したもののほとんどが、1923年の大震災で焼けてしまったとこぼしました。私が、あれも、これも、それも……と嘆くのを、紳士は同情しながら聞い てくれました。続いて私が「その時は東京にいらっしゃいましたか、失われたものはありませんか」と尋ねました。紳士は微笑を浮かべながら「妻子をなくしま した」と答えました。私は愕然とし、懸命に紳士を慰めようとしましたが、彼の方は、私たちが楽しい話をしているかのように微笑み続けました。
(キャサリン・サンソム『東京に暮らす』大久保美春 訳)
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  キャサリンさんは、昭和の初め頃に東京に暮らしていたイギリス人です。彼女はこのあとで、紳士は自分の悲しみよりも動揺する私を気づかって微笑んでいてく れたのだと書いています。さらに、日本人は会話の中で自由にふるまうことができないけれど、それは優しさや気づかいのためなのだ、と。

 この本は、戦争が近づいて彼女が帰国した後イギリスで出版されました。この部分では、感謝の気持ちと、優しい紳士のことを知ってほしいという思いが、ペンを走らせているように思えます。
 誰かにこの出来事を伝えたい、あの人のことを教えてあげたいという思いは、誰の胸にもあるはずです。

 心の中に伝えたいことがある人は、ぜひ作文講座に来てみてください。

  作文添削講座は、指導の関係で1回の受講人数を5名に限らせていただきます。そのため、先着順にて受付し、定員になり次第、締め切りとさせていただきま す。連続受講も大歓迎です。また、希望があれば学校の作文課題の添削もいたしますので、課題の本やプリントなどがある場合は前もってご連絡ください。最後 に、受講料は、来月の授業料明細でご請求させていただきますので、よろしくお願いいたします。ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。

※ 外部生のネットからのお申し込みは、ページ左側の「各特別講座のお申し込み」よりお願い致します。