4月 作文添削講座

★第131回  内部生で締切となりました
★第132回 内部生で締切となりました
★受講料 小学生 1回 3,000円 (2時間)
     中高生 1回 4,000円 ※税別料金になります
★限定人数 各回5名


 お父さんと息子は、サッカーの競技場の前を通りかかりました。そこにはもう、ずらっと自転車が置いてあるんですねえ。お父さんは、あっと思って、息子に「おまえ、先にバスに乗って帰れ」といいました。お父さん、自転車をとろうと思ったんですね。人の自転車を。こわいところですねえ。もうこうなったらしかたないわ。自分の女房・子供を養うために、おれだって自転車とられたんだから人の自転車をとってやろう。この人のいい、やさしいお父さんが、そんなことを考えたんですねえ。
(淀川長治 『私の映画の部屋』より)


 『自転車泥棒』という映画を紹介した文章です。優しい語り口ですが、映画を見ていなくてもその情景が広がってくるようです。「こわいところですねえ」という言葉には、思わずうなずいてしまいます。
 自転車をとることはもちろん悪いことですが、悪いですませられないこともたくさんある。そんな悲しくつらい、やりきれないような場面を、人はどうしてわざわざ作り出すのでしょうか。
 もしかしたら、それを見ることで何かを感じたり考えたり、感想を持つ人がいることを信じているのかもしれません。
 上の文章もそんな感想の一つです。これを読んだ誰かが『自転車泥棒』という映画が見たくなる、見る、感想を書く、その感想を読んだ誰かがまた見たくなる。そうやって人が作ったものは受け継がれていきます。
 感想を書くというのは、人類の歴史や文化に関わる壮大な営みなのです。

 作文添削講座は、指導の関係で1回の受講人数を5名に限らせていただきます。そのため、先着順にて受付し、定員になり次第、締め切りとさせていただきます。連続受講も大歓迎です。また、希望があれば学校の作文課題の添削もいたしますので、課題の本やプリントなどがある場合は前もってご連絡ください。最後に、受講料は、来月の授業料明細でご請求させていただきますので、よろしくお願いいたします。ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。

※ 外部生のネットからのお申し込みは、「各特別講座のお申し込み」よりお願い致します。